日本住環境医学研究会（笹川征雄会長＝医師、笹川皮フ科）では、平成18年2月19日（日）、東京歯科大学水道橋病院血脇ホールで「第２回日本住環境医学研究会学術集会」を開催いたします。
この集会は、医学・建築・建材・化学の各分野において、それぞれの分野で役に立つ住環境についての最新動向と指針を示そうとするもので、今回は昨年1月に続いて2回目の開催となります。
★午前は「アスベスト問題」と「化学物質リスク評価」の住宅業界においての
必須の２テーマ
【記念講演】
午前は２つのテーマによる記念講演（基調講演）が行われます。
今国民的な問題として早急な対策と正確な情報が求められている「アスベスト問題」を取り上げます。講師には中皮腫・じん肺・アスベストセンター所長、医療法人社団ひらの亀戸ひまわり診療所の名取雄司氏をお招きし、健康被害の現状と最新情報を学びます。
もう一つのテーマとして、「化学物質リスク評価」という居住環境にとっては今後のキーポイントとなると言われる視点を学ぴます。講師にはこの分野の専門家である独立行政法人産業技術総合研究所・化学物質リスク管理研究センター岸本充生氏をお招きいたします。
シックハウス問題はホルムアルデヒド対策で始まり、現在はＴＶＯＣ問題、カビ問題など新たな対策を業界は求められるようになってきました。そうした中で、今後どのようなリスクが生じていくのか。そのリスクに対してどのように分析し評価していくかという、住宅関連企業にとっても新しい視点が提示されることになります。
★午後は医学部会研究報告と、各専門分野から会員一般演題を開催
【研究報告】
学術集会では午後、医学部会における今年度の最新研究報告を実施します。
医学部会では今年度、シックハウス問題で重要視されることが確実なカビ問題について報告します。カビ問題はこれまで数多の研究や対策が行われてきましたが、研究会では人体・居住環境とカビの相関関係などを住環境との因果関係について、より新しく、具体的かつオリジナリティある因果関係論に迫ります。
発表者は笹川征雄会長が務め、カビ問題について自ら医師としての実践の成果と課題について発表します。
【一般演題】
昨年に続いて会員による一般演題も行われます。
これは医学・建築・建材・化学の各分野の研究会会員の今年度の最新活動状況を公開することで、様々な分野から集まる聴講者の今後の参考にして貰うことが目的となります。
「建築分野」「建材分野」では、シックハウス問題を対策から一歩進み、日本における居住環境における建材の評価指標確立に向けた取り組みについて報告がなされます。この取り組みは、建材を選択する際の消費者だけでなく、現在の建材メーカー、商社、ビルダーなどにも大いに参考になる内容となっていくものです。
また室内化学物質を分析・評価することを専門とする「化学分野」では、化学物質の測定分析における現状と課題、そして新しいチャレンジについのて報告があります。測定分析機器の進歩も著しく、1．簡易法ポータブルGCによる現場測定、2．カビセンサーによる室内カビ環境調査、3．MVOC濃度測定による室内環境とカビの影響調査といった今年度の活動方針の中から経過報告があります。
一般消費者はもちろん、住宅メーカー、建材メーカー、工務店、建築士、医師など幅広い受講をしていただけることを願っております。